賃貸物件を経営している場合、問題行動の多い入居者を交代させたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、退去を求める必要性の高い入居者とはどのようなタイプかをご紹介します。
賃借人に交代を求める方法や知っておきたい注意点もご紹介しますので、賃貸物件運営担当の方は、参考にしてみてください。
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入居者の交代!交代させる必要性がある入居者の特徴
賃貸物件の入居者には、周囲に迷惑をかけるなど問題行動の多い方もいます。
交代させる必要性を察知したときは、迅速な行動により、ほかの入居者や物件の住環境を守る姿勢を示すことが重要です。
問題行動の多い入居者とは?
アパートやマンションなどの集合住宅では、居住者はきまりを守ることを入居条件として賃貸借契約を交わします。
しかし、ゴミ出しなどの規則を守らない、昼夜に関係なく大声を出すなどの迷惑行為を繰り返す方がいるのも事実です。
そのうえ、ルール違反を指摘すると大声で威嚇したり、ほかの入居者に対して些細なことでクレームを繰り返したりなど、モンスター入居者は手に負えません。
ペット飼育不可物件で公然とペットを飼育するなど騒音や異臭の原因になるほか、家賃を滞納して夜逃げをする悪質なタイプもいます。
管理会社だけでは対処できないケースもあり、賃貸経営にとって厄介な問題です。
迷惑行為を繰り返す入居者を交代させる必要性
周囲に迷惑をかけ続ける居住者がいると、トラブルを嫌う居住者が転居してしまうのが運営には痛手です。
物件を気に入って入居した方のなかには、トラブルメーカーと距離を置くなど、多少のことはがまんしてでも住み続けたい方もいます。
管理会社やオーナーの対応を見守っていますが、問題を解決できないとわかると賃貸借契約の期限切れを待つ余裕はありません。
物件に対する評価が下がり、立地に関係なく入居率が低下するなど、経営に与える影響は深刻です。
一度下がった評価を回復するのは容易ではありません。
賃料を滞納する入居者も交代させる必要性
賃料を滞納する入居者の存在は、キャッシュフローを悪化する要因です。
賃貸経営は、入居率は経営の安定性と比例します。
しかし、居住者がいても予定した収入がないと、融資を受けて経営している場合は借入金の返済ができません。
資金がショートして経営が行き詰まる可能性も高まるため、交代する必要性があります。
賃料の滞納に対しては、保証会社に任せているから関係ないと思いがちです。
ところが、滞納しても居続ける住人の存在は、「滞納しても大丈夫な物件」として、新たなモンスター入居者を増やす可能性があるため早急に対応しなければなりません。
入居者の交代!問題行動の多い入居者に交代をうながす方法
迷惑行為を繰り返す居住者に対し、経営者サイドから交代をうながすことは可能です。
円満解決を目指す方法から始めますが、不測の事態に備えて、法的措置も知っておくようにしましょう。
任意の話し合いから開始して解決を目指そう!
問題行動の多い住人に対し、繰り返し注意をおこなっても改善が見込めないときは、管理会社とともに任意の話し合いをおこないます。
クレーマーは解決金の支払いと滞納した賃料の帳消しを求めるのが常套手段です。
賃貸物件では立ち退き料になりますが、当初から金銭の支払いを前提にするより、賃貸借契約違反により明け渡しを求める方向での話し合いにします。
金銭で解決しない姿勢を明確にすることで、こちらの本気度を示すことが重要です。
それでも解決しないときは、立ち退き料とセットで明け渡し期間の交渉に入ります。
立ち退き料とは、引っ越し先の初期費用と引っ越し費用であり、賃料の帳消しは別計算です。
自社の物件から算出するなど、相場以上を支払わないようにしましょう。
明け渡し期間は、引っ越しするまでの猶予期間であり、借地借家法に基づく6か月以上を目安に設定します。
迷惑行為により転居を繰り返す住人は交渉慣れしている恐れもあるため、事前に管理会社と綿密な打ち合わせが必要です。
任意の話し合いが決裂したときは法的措置へ移行
裁判所に申立てるなどの法的措置は強制力があるため、入居者を交代させる方法としては多大な効力があります。
裁判所は立ち退き命令を判決として下しますが、賃料の支払いに関しては対処できません。
また、手続きを開始してから命令を受けるまでに数か月以上かかることへの覚悟が必要です。
さらに、弁護士費用として100万円程度かかります。
任意の話し合いによる立ち退き料よりも高額になる場合は、どちらを選択すると物件運営に好影響を与えるか、よく考えてから移行しましょう。
また、法的措置を前提とせず、弁護士に相談する方法も可能です。
任意の話し合いの段階で、立ち退き料の交渉や賃料の回収に対するアドバイスを受けると安心できます。
賃貸運営には、士業とのつながりが重要です。
トラブルをチャンスと捉え、不動産関係に強く初回相談は無料の弁護士を探すようにしましょう。
入居者の交代!入居者に交代を求めるときの注意点
何回注意しても問題行動をやめない入居者に交代を求めるとき、交渉をおこなうには一定のルールがあります。
借地借家法の定めに違反しないよう、注意点を確認しておきましょう。
立ち退き料の必要性は状況によって異なる
交代を求めるときの立ち退き料は法律に基づくものではなく、円満に解決するための手立てとして支払います。
したがって、貸主の都合で交代を求める場合は立ち退き料を支払いますが、賃貸借契約違反を理由とした退去では不要です。
ただし、なぜ退去を求めるのかを必ず示さなければなりません。
交渉の内容を確認できるようにするため、必ず書面で記録を残すようにしましょう。
正当事由と合意は交代を求めるときの必須条件
賃貸物件の入居者に対して交代を求めるときは、正当事由を提示したうえでの合意が必要です。
自然災害などで建物に大きな被害が発生して住み続けることができない場合や老朽化による建て替えなどが、正当事由に該当します。
もちろん、賃料の滞納や迷惑行為を繰り返すなどの契約違反も正当事由です。
ほかの住人からの苦情が多い居住者に対し、「立ち退き料を支払うから退去してくれ」は貸主側の言い分であり、正当事由にはなりません。
また、一方的に通告するだけでなく、双方が納得して合意するのも立ち退きの条件です。
たとえ居住者に問題行動があっても、合意がない場合は不当な居座りにはならない点に注意しましょう。
退去通知はいつまでにおこなう?
賃貸借契約の更新期日を迎えるタイミングでの退去通知は、半年前までにおこないます。
しかし、騒音や異臭、クレームを繰り返すときの退去通知は、借地借家法に基づき、契約満了の6か月~1年以内におこなわなければなりません。
住人の生活に支障をきたさないよう、転居先を探す時間を確保するのが狙いです。
退去通知は必ず書面でおこなってから、実際に面談して直接話します。
このほか、交渉をおこなう際、貸主は複数人参加することも注意点です。
担当者が対応できないときに話が食い違うのを避けるとともに、立ち退き料の上乗せなどの交渉を回避します。
居住者の問題行動が原因の退去であっても穏やかな雰囲気で話し合い、合意を引き出すよう心掛けましょう。
まとめ
騒音や異臭などを発して、ほかの住人に繰り返し迷惑を掛ける入居者は、交代する必要性の高いケースです。
貸主から退去を求める方法は、任意の話し合いから始めますが、解決できないときは法的措置も検討します。
入居者に交代を求めるときは、正当事由と合意が欠かせないなどの注意点を忘れないように交渉しましょう。
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