不動産売却・購入

住宅ローンのフラット35とは?不動産投資に不正利用するとどうなる?

住宅ローンのフラット35とは?不動産投資に不正利用するとどうなる?

マイホームの購入に使える住宅ローンの代表として「フラット35」があります。
一般的に住宅ローンはマイホームの取得に利用できる融資であり、投資用物件には利用できません。
しかし、昨今は不動産投資にフラット35を不正利用するケースや、不正利用に巻き込まれてしまったケースが多発しています。
今回はフラット35とはなにか、不動産投資に不正利用するとどんなことが起きるのかを解説いたします。

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フラット35とは?不動産投資には使えない?

フラット35とは?不動産投資には使えない?

フラット35とは「独立行政法人住宅金融支援機構」と全国300以上の金融機関が提携して提供している住宅ローンです。
借り入れ時から35年間金利が一定の「長期固定金利」のローンなので、長期間にわたって安定した返済計画が立てられます。
またフラット35を利用する場合、購入する物件が一定の品質基準を満たしていなければなりません。
さらに雇用形態に関わらず審査を申し込めるため、リスクを抑えて安全安心のマイホームを手に入れられる仕組みとして、多くの方に利用されています。

フラット35は投資用物件には利用できない

フラット35は安心できるマイホームを誰もが購入しやすくするための制度です。
そのため投資用物件でフラット35を利用することはできません。
もし投資用物件に対してフラット35を利用した事実が発覚した場合、不正利用と認定され、大きな責任を背負うことになります。

不動産投資へのフラット35の不正利用にはどんなケースがある?

不動産投資へのフラット35の不正利用にはどんなケースがある?

平成30年から令和元年までの間に、フラット35の不正利用は判明しているだけでも100件以上発生しています。
しかもそのケースのなかには「いま抱えている借金を帳消しにして不動産が買える」などと謳う不動産業者に騙されて、不正利用に巻き込まれるケースもあります。
いったい、どんなケースがフラット35の不正利用に該当するのでしょうか?

投資用物件を自己居住用物件だと偽るケース

先述のとおり、フラット35は自己居住用物件にしか利用できません。
投資用物件をマイホームであると偽ってフラット35を利用することは、契約違反となります。
しかし不動産業者のなかには、フラット35という言葉を出さず、融資のために住民票を移すことや、審査時に自分で住むと言うことを促し、不正利用へと誘導する業者もいます。
さらにそのようなケースでは、不動産業者が相場よりも高い価格で物件を売って、多額の利益を得ている場合も多いです。
投資用物件の融資には住民票を移す必要も、自己居住用物件であると言う必要もありません。
流れに任せて自己居住用物件だと偽ってしまい、不正利用に巻き込まれないよう注意しましょう。

数年住んでから賃貸物件として貸し出すケース

フラット35を利用して購入した物件の場合、ローンを完済するまでは他人に貸し出すこともできません。
こちらも同様に「数年住んでから貸せば不正にはならない」と偽り、不正利用を促す不動産業者が存在します。
当初から賃貸物件にするつもりで虚偽の申告をした場合、マイホームでの利用が前提となっているフラット35では契約違反となります。
ローンを完済しなければ賃貸物件として貸し出すことはできないと、把握しておきましょう。
しかしなかには転勤や家庭の事情、近隣トラブルなどで引っ越しを余儀なくされる場合もあるでしょう。
そのようなやむを得ない理由で空いた自宅をローンを完済せずに賃貸物件として貸し出していた場合、現状では不正利用だとは見なされないと考えられます。
しかしフラット35の不正利用だと疑われる可能性自体はあるので、貸し出すことになった理由を証明できるようにしなければなりません。

不動産業者が借金を肩代わりすると謳っているケース

フラット35も通常の住宅ローンと同じように審査があり、すでに借入金があると審査に通りづらくなります。
そこで借金を抱えている方に対して、今ある借金を全額返金する資金を提供する代わりに、投資用不動産を購入するよう促す不動産業者も存在します。
借金を帳消しにすることで融資を通りやすくして、フラット35の不正利用へと導くのです。
しかし誰かが何の意図もなく、借金を肩代わりしてくれることはありません。
結果的に、フラット35という名の新たな借入金が増えてしまうだけです。

不動産業者に任せきりにしてしまうケース

投資用不動産の購入時には、物件の見学から契約書の締結まで、必ず自ら確認しなければなりません。
なぜなら、プロだからと根拠なしに信頼して全面的に任せていると、知らぬ間に不正利用に巻き込まれているケースもあるからです。
それだけでなく、相場よりも高額な不動産を購入してしまう恐れや、業者から物件の鍵や賃料を渡してもらえないなどのリスクも考えられます。
不動産投資をおこなうときは業者任せにせず、その内容を自らの目で確かめましょう。
もし気になることや不安なことがあれば、不動産業者にどんどん質問していくのもひとつの手です。
質問に真摯に対応してくれるかどうか、その業者の実績を確認し、本当に任せて良いのか見定めましょう。

フラット35の不正利用はどんな経緯で発覚する?

では、これらのようなフラット35の不正利用はどのような経緯で発覚するのでしょうか?

郵便物が届かない
フラット35は自分で住む住宅に対してのみ、融資が下ります。
そのため物件の住所と本人の現住所が異なる場合は、不正利用が疑われます。
金融機関は住宅ローンの利用者に対して、ローン残高などが記された郵便物を定期的に送ることがあります。
しかしフラット35を不正利用して賃貸に出している物件の場合、そこには他の入居者が住んでいるため、郵便物が届いても差し戻されてしまいます。
そうして差し戻された郵便物は金融機関の元に戻るため、不正利用を疑う金融機関は契約者の居住実態を調査することになります。

金融機関の担当者の訪問
フラット35を申し込んだ提携金融機関の担当者が物件を訪れ、住宅ローン以外のサービスについて営業活動をおこなうこともあります。
しかしこちらも郵便物と同様、訪問時に本人が住んでいなければ、不正利用を疑われます。

不動産業者に対する全件調査
不動産業者、もしくはその担当者が住宅ローンの不正利用をそそのかしているケースが発覚したとします。
その場合、その業者が担当した物件すべてに調査が入ることになり、多くの不正利用が芋づる式に発覚することがあります。

フラット35を不動産投資に不正利用するとどうなる?

フラット35を不動産投資に不正利用するとどうなる?

ここまではフラット35の不正利用の実態について解説してきました。
しかしフラット35を不正利用すると、一体どんなことが起こるのでしょうか?

借入金の一括返済
投資目的での利用や住宅購入価格の水増しなど、契約違反や不正利用が発覚した場合、基本的には「借入金の一括返済」が求められます。
多額の資金を一度に用意しなければなりませんが、自己資金で賄える方は少ないでしょう。
そのため銀行や信用金庫などの金融機関に相談するか、競売や任意売却などの手段をとることになります。

アパートローンへの借り換え
住宅ローンを投資用物件に適用するのは不正利用となりますが、アパートローンであれば投資用物件への利用は問題ないため、借り換えを求められることがあります。
しかしアパートローンは住宅ローンとは審査基準が異なるため、住宅ローンの審査に通っていればアパートローンの審査も通れるとは限りません。
アパートローンでは物件の収益性も重視されるため、収益性の良くない物件を騙されて購入しているようなケースでは審査に通らないこともあります。

損害賠償請求などの法的措置
住宅ローンの不正利用は借主が加害者であり、金融機関は詐欺の被害者です。
場合によっては警察への通報や損害賠償請求に至る可能性があります。
このように住宅ローンの不正利用は大きな結果を招くことになるため、自らが不正利用することも、不正利用に巻き込まれることも避けなければならないのです。

まとめ

フラット35とは自己居住用物件に適用できる住宅ローンで、投資用物件への適用は不正利用となります。
住宅ローンの借主が自ら不正利用するケースだけでなく、不動産業者によって不正利用に巻き込まれるケースも。
不正利用が発覚すると、借入金の一括返済や損害賠償請求を求められるため、結果的にはリスクが大きくなってしまいます。
フラット35の不正利用に巻き込まれないように、投資用不動産を購入する際は物件の見学から契約書の締結まで、自らの目で確認することも意識しましょう。

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